人生はいっ瞬の夢であると、過ぎてみてわかる。ラグビーの魅力に取り付かれて写真を撮りまくった日々は去り、私の人生も最終コーナーを回って、前方にゴールが見えてきた。心残りは自分の撮った写真のことである、もう一度ネガをワンカットずつ見直してみた。

 

ラグビーは我々人類の祖先が太古の、まだ道具を使うことさえ知らなかった頃の姿を彷彿とさせる、自らの肉体と頭脳だけをたよりに獲物を追いかけていた頃を思わせる、人類20万年の歴史を内に秘めた、我々の肉体の奥に眠っている原始的な肉体の感覚を思い出させるスポーツです。日本には柔道、相撲、空手、合気道とおのれの肉体と頭脳だけを頼りに11で戦う格闘技がありますがラグビーはそれを30人で1個のボール(獲物)をめぐって争う格闘技と言えるでしょう。私たちの血を騒がせる何かがあるのです、毎年、毎年秋のラグビーシーズンが来ると「今年もまた男たちの血が騒ぐ季節がやってまいりました」と協会に取材申請をしたことを思い出します、快く許可を出して下さった協会に感謝するとともに被写体になってくれた多くのラガーマンにも感謝、ありがとうございましたと、お礼が言いたい。

                                                                                         K.W